ちょっとがいい。

ちょっとがいい。




まだ母が元気な頃、一人で私の長女(母にとっては初孫)の所へ遊びに行った際、長女夫婦と母とで夕飯の買い出しに出かけたところ、
長女「今日は鶏肉でなんか作ろうかな~・・・」
お婿さん(長女の夫)「そうなの?でも牛肉も食べたい。ちょっとでいいから牛肉も買おうよ。」
という会話が交わされ^^;、傍で聞いていた母が、
「〇〇くん一生懸命働いてるのに、お腹いっぱい好きなものを食べさせてあげなさいよ。私が買ってあげるわ。どれにする?」
と口を挟んだら、
お婿さん「ありがとうございます。でも僕、ちょっとがいいんです。美味しいものをちょっとだけ食べるのが好きなんです。」
と言われた・・・というエピソードを母から電話で聞き、お婿さんの気持ち、すっごくわかる!と思いました。



以前勤めていた会社では一時期ブームになったプレミアムフライデー(金曜日は終業時間前に業務を終了し、残りの時間は好きに使っていい・・というスペシャルデー)を取り入れていて、金曜日は15時に仕事を終え、残りの時間は会社近くのデパ地下などでお総菜を買ってきたり、給湯室の小さなキッチンで簡単なものを作って皆で食べたり飲んだりする習慣があったのですけれど、ある日入社間もない女の子がフルーツタルトを丸々一台買ってきて、そのままフォークで食べ始め、
「私、子供の頃から、カットしない丸ままのケーキ一台を食べるっていうのが夢だったんです♪」
と、幸せそうに完食したことがありました。
それは記念すべき感動のシーンでしたけれど^^;、私自身は思い描くことのない夢の形だとびっくりもしていました。


小さな頃から「美味しいものはちょっとでいい。」「楽しいことはちょっとでいい。」と、ずーっと思ってきたように思います。
動物園や遊園地に行って、帰り際に「帰らない~!!」と泣いている子供を見かけると、ルールを破りをしている現場に遭遇したようなハラハラした感情を抱いていました。


美味しいものや楽しいことなど、ご褒美のように与えられるものを欲張ると良くないことが起こる・・・とか、そういう罰当たり的な発想をしていたわけではなくて、
「あ~・・もう十分だ~・・」と至福感に包まれ、「これ以上はもう本当に結構ですから・・」みたいな気持ちでした。


大人になって、保坂和志さんの「この人の閾」という小説を読んで、初めて「閾(いき)」という言葉を知り、「そうか!私は閾値が小さいのかも?」と気付きました。


あるいは閾値とは,ある感覚・知覚の変化を生じさせるのに必要な最小の刺激量,あるいはある感覚・知覚の変化が生じるか生じないかの境目に当たる刺激値を指す。】


おそらく私は「ちょっと」の刺激量で感覚・変化が生じるタイプの人間なのです^^;
そして刺激量が多くなり過ぎると、ツーマッチに感じてしまうのだと思います。
幸せに対してエコ・・・そう思うと得した気分です。笑



そんな私の昨日のちょっと幸せ・・♪
夕方散歩に行って見上げた空に浮かんでいた三日月です。
以前友人が、三日月を「パチンと切った爪の先みたい。」と言っていたことを思い出しました。
本当に、爪の先みたいな可愛い三日月でした^^



・・・昨日の夕食。
旬の秋鮭と里芋を食べたくて、秋鮭のマリネと里芋とタコの炊き合わせを作りました。




このマリネ、簡単でとっても美味しかったのでレシピをシェアしますね。
・鮭にマジックソルトをふり、小麦粉をまぶし、オリーブオイルを熱したフライパンでこんがりと焼いて取り出す。
・串切りにした玉ねぎと一口大に切った甘唐辛子を、フライパンに入れ、しんなりするまで火を通す。
・すべてを器に盛り、オリーブオイルとポン酢を1:2の割合でまわしかけ、そのまま10分ほど置いて完成♪
お野菜はパプリカやピーマン、茄子、人参、カボチャなど、色々応用できますし、お弁当のおかずにも使えておすすめレシピです^^



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