ふらんすに行きたしと思えども

私が note でフォローしている【きなこ】さんの記事に、萩原朔太郎さんの詩が掲載されていました。
ふらんすに行きたしと思えども
詩集『純情小曲集』より
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みずいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもわむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。
美しい詩だなぁ・・・と、思わず音読しなおしました。
特に、
汽車が山道をゆくとき
みずいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもわむ
の部分・・・
「窓を開けることのできる」列車の旅をとても懐かしく思いました。
幼い頃の私にとって、汽車(蒸気機関車)に乗ることは、スーパースペシャルビッグイベント(笑)で、
初めて生の汽笛を聞いたときの感動を、今も覚えています。
そして、だんだん加速され、なだらかな走行になった時、開け放した窓に向けて
【口を開けると!笑】風が口に吹き込んで、アニメみたいにフガフガになる・・・ていう実験を、毎回していました。笑
昨日は、渋谷の東急百貨店本店が閉店しました。
オシャレすることに心血注いでいた(?笑)青春時代の渋谷は特別な街で、東急百貨店は、西武百貨店と共に、そのシンボルでした。
この惑星の大きさからしたら、本当にちっぽけな私の人生ですけれど、
それでも、私自身と同じように、私を彩ってくれていた景色も、時とともに、その寿命を終えていくのだなぁ・・・と思います。
今、目の前にあるもの、あって当たり前だと思っているものにも、
必ず終焉はあるのですよね・・・
そう思うと、今あるもの へのありがたさを、ひとかどに感じます。
↓こちらは、おそらく、弟(私より9歳年下の末っ子にあたる弟です。)が、初めてエル特急に乗ったときの写真です。
機関車から電車になり、特急列車の旅がトレンドになった頃登場した【エル特急】も、今は無い懐かしい呼称です。

弟が5歳くらいだから、母は38歳、父が43歳。
私は14歳で、亡くなった上の弟は11歳の頃です。
今の私には、ふらんす よりも、もっともっと遠い風景です。
春になったら、特急列車の旅をしてみようかな・・・
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