光射す人。

光射す人。



自らを、【高貴香麗者】(こうきこうれいしゃ)と呼んでいらした大崎博子さんが、
7月23日夜、91歳で亡くなられた。


亡くなる前日まで、Xにポストされ、
彩りよく盛り付けられた晩酌セットの画像もアップされていた。


「自分の友達たちは、皆亡くなってしまって、今はXで知り合ったお若い方たちとの交流を楽しんでいる。」
「ロンドンに住む娘は、毎晩、私の生存確認を兼ねて、夕食を食べてる頃にLINE電話をくれるの。」
「支払いは、バーコード決済がほとんど。現金はあまり使わない。」


と、大崎さんの毎日に、インターネットは必須だったご様子で、

「これがなきゃ、生きていけない。」と、インタビューでも答えていらした。


ロンドンから急遽帰国されたお嬢さまが、
7月25日に、Xの大崎さんのアカウントに、お母様のご逝去をポストされた。
おそらく、ご自身にもしものことがあった時には、仲良くして下さった皆様に、ご報告してね・・・と、ログインパスワードを託されていたのだろうと思う。


大崎さんは、私の亡き母より2歳年上で、
そのご年齢で、唯一のご家族でいらっしゃるお嬢様と遠く離れ、月に10万円の生活費をやりくりしながら、美しく、とても楽しそうに、日々を過ごしていらっしゃるご様子を、
祈るような気持ちで、讃えながら、見守っていた。(見守っていた・・・というと、上から目線のようだけど、そうではなくて、大崎さんの暮らしは、私にとっては、天上から射しこむ神々しい光のようで、その光に見惚れている感覚だった。)



この世は、良いことも悪いことも、混沌と存在していて、
不平や不足や嘆きに視線を合わせて、ため息をつき続けることもできれば、
日々の暮らしの中で自分を満たしてくれるものにロックオンして生きることもできる。


インターネットも、使い方次第で、凶器にもなれば、幸運を呼ぶツールにもなってくれる。


どちらを選ぶかは自分次第だ。


大崎さんは、「選んだ先の姿」を、日々、発信して下さった。


実際にお会いしたことはなくても、
大崎さんの存在は、私の今と未来を照らして下さっていた。


訃報を知ってから、
寂しくて悲しくて仕方ない。
けれど、亡くなる前日に、
「91歳のおばばちゃん これから友人とランチです。」とアップして下さったキリっとした笑顔が、
「先ずは、ここまでいらっしゃい。」と導いて下さっている気がするので、
これから91歳まで、迷わずに、大崎さんが示して下さる光の道を歩いて行こうと思う。


心からご冥福をお祈りいたします。
感謝を込めて。



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