2022年1月15日

味わい方、楽しみ方。

以前の職場に、大学院で「菊の花」の研究を専攻していた男の子がいて、
オフィスで白菊の花を活けていたら、
「カリメリスピナティフィダですね・・・」と声をかけられたことがあります^^;

「何それ？」と聞くと、
「その花の学名です。」と言われました。

花を学名で呼ぶ人に初めて出会った瞬間でした。笑

白菊の花一つとってみても、

それを、どんな風に飾ろうか・・・　と悩む私や、
学名で認識する彼や、
花言葉はなんだろう？と思う人や、
果たして食べられるんだろうか・・・と考えるアウトドア系チャレンジャーや^^;、
霊は宿っているのか・・・と恐れたかも知れないご先祖様たちなど、

それぞれが、それぞれの関心の持ち方をするわけで、

この世には、数えきれないほど沢山のものが溢れている上に、
その味わい方、楽しみ方は、また、その何倍も存在します。

昨日、「コンフィデンスマンJP・英雄編」が封切られ、早速鑑賞してきました。
席を一つ空けて、両隣は、どちらも若いカップルでした。

一組のカップルは、エンドロールの途中で「面白かった～・・」と言いつつ席を立ちました。
（エンドロールが終わった後にある【見せ場】を知らない素人だな｀・ω・´、もったいない・・）と思いました+_+

もう一方のカップルは、最後まで観終わって、「なるほどね～」と謎解きを楽しんだ風でした。

私は、涙を流したまま、数分間、余韻に浸っていました。

一つの映画を観ても、味わい方は様々で、
笑える娯楽映画だと認識する人もいれば、
ストーリー展開に心奪われる人もいれば、
ダー子の弾ける笑顔の下にある孤独に涙する者もいます^^;

私たちが生涯出会うことのできる出来事や、モノや、人の数は、実はそれほど大差ないのではないかと感じます。
ただ、その味わい方、楽しみ方によって、それぞれの人生の色合いが大きく変わってくる・・・

そう思うと、ガブ飲みしたり、ペロッと舐めて「美味しくない・・」と切り捨てるより、
「もしかして、中心には甘いシロップが隠されているのかも？」と、
飴玉みたいに、ゆっくりと溶かしながら、味わい尽くす生き方をしたいと思います。
しんどいかも知れないけど、そうしなければ、生涯シロップの存在には気づけないから。

・・・「一生離さないんだ」
劇中、ダー子が、ぼくちゃんとリチャードを思って呟いた言葉です。

「一生離さない」そう思える人を持てる人生であったなら、
それは、極上な人生なのだと思います。