父ちゃんの文章教室に!

父ちゃんの文章教室に!








今日は、生まれて初めての体験をします♪
フランス在住の作家・辻仁成さん(通称父ちゃん)がオンラインで開催される「文章講座」を受講するのです。


オンラインとはいえ、芥川賞受賞を始め、数々の輝かしい功績を持つ著名な作家さんの直の講義を受けられるなんて、夢のようで、もう既にフワフワしています。笑



私は、「好きなこと」の一つが「文章を書くこと」で、
山田ズーニーさんの教え「足腰の筋肉を鍛えるように、文章も、書く筋肉を鍛えよ!」
を守り、ブログも、特別な支障がない限り、毎日アップすることを心がけています。

そんな修行中の私にとって^^、父ちゃんの文章教室開催は、願ったり叶ったり!のありがたい企画!><


参加するにあたり、課題として、前もって、1500字以内で、「旅先で出会った美味しい一皿」をテーマにしたエッセイを提出しました。


記念に、こちらに残しておこうと思います。




【バケツ一杯のマンゴスチン】

40代半ばに過労から体調を崩し、主治医から「心身共にストレス厳禁!」を言い渡された。

休職し、療養に専念すること数カ月。 
検査結果も上向きになり、そろそろ職場復帰を・・と考え始めた時、急に、
「そうだ!休んでいられる今のうちに、マンゴスチンを食べにタイに行こう・・」
と思い立った。

マンゴスチンとの出会いは大人になってからで、バリ島の宿でウエルカムフルーツとしてサービスされ、蕩けるような芳香に歓喜の悲鳴をあげたのが初対面。
マタタビを嗅ぐ猫みたいに、食べ終えた殻の残り香を、延々嗅ぎ続けた。

帰国後は、それまでは視野の外だったマンゴスチンを認識できるようになり、見かけると購入するようになったものの、そこそこの価格の割に、驚くほどコスパが悪く、ふにゃふにゃの袋に分かれた小さな実の中心にはいくつかの種と芯が入っていて、味わえる部分はほんの少しだけ・・・ 
種の周りに付着している果肉も味わい尽くしたくて、梅干しの種をしゃぶるみたいにしごいてみても、うまく剥がれず、どうしても満足できず後を引いてしまう。

もし、マンゴスチンがメロンみたいな形状だったら、もっと別の関係性になったのだろうけど、食べれば食べるほど、「もっと食べたい」と焦がれる片思い状態が続いていた。

そこで一念発起。この片思いを断ち切るべく、「マンゴスチンがバケツ売りされている」という噂のタイへ乗り込む決心をしたのだ。

ホテルのコンシェルジュが予約してくれたチャオプラヤー川沿いのレストランのテラス席で、私は念願のバケツ一杯のマンゴスチンを食べた。

正直、感動しつつ味わったのは10個目くらいまでで、後は「これを食べきって社会に復帰するのだ!」という突然舞い降りてきた謎のマイルールを全うするために完食した。

目の前の川を行き交う船は、通勤や通学の足の役割も果たしている。
ガラスのない窓から、幾人か、手を振ってくれる人がいた。
私も、甘酸っぱい香りのうつった両の手をあげ、応援団のウエーブみたいにゆらゆら揺らした。




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