痛みみたいなものが欲しい・・・
先日放送された情熱大陸は、ショパン国際ピアノコンクールで、日本人として半世紀ぶりに第二位を獲得したサムライピアニスト・反田恭平さんを取材したものでした。
予選を勝ち抜き、ファイナル審査の前日、反田さんは親友であるピアニスト務川慧悟さんに課題曲へのアドバイスを頼み、
務川さんは演奏を終えた反田さんに、
「重要な非和声音が時々素通りされている・・・なにか、痛みみたいなものが欲しい。」
と伝え、同時に、譜面を見ながら、痛みに耐えるような表情で鍵盤を押さえ、非和声音を奏でます。
切ない音色・・・ ささる~>< と、心の琴線が揺れましたT_T
【ひ】※非和声音とは、コードトーンから外れた不協を感じさせるメロディ音を指します。
反田さんの課題曲は40分にも及ぶ長さがあり、神業のようなタッチで届けられる音の波の連続の中、まるで大海に沈む小石一つを拾い上げるかのようにピンポイントの指摘をする務川さん・・・
二人の静かな表情とは裏腹に、天才同士ががっぷり四つに組んだ対決を見た気がしました。
そして、もしかしたら、強く心惹かれるモノには、この「痛みみたいなもの」が内包されているのかも知れないな・・・と思いました。
ポルトガル語で表現される「サウダージ」・・・にあたる感覚でしょうか・・・
日本語では一言で表すことが難しいのですが、郷愁、思慕、などが混ざった 心を突く痛みのような感覚・・・
大好きなシャガールの「3本の蝋燭」も、若い恋人たちをモチーフにしながらも、恋人たちの憂いある表情や、落下するように見える天使など、どこか痛みを感じる作品です。
(この絵が制作された1938年~1940年は、ユダヤ人であったシャガールがナチスドイツから逃れるために、故郷フランスを捨てニューヨークに渡る準備をしていた頃に重なります。)
子供の頃繰り返して読んだ「ムーミン谷の彗星」から始まるムーミン一家の物語でも、一番強く心に残るのは、
全てのものを凍らせる冷気をまとい、いつもひとりぼっちで、明るく温かいものに憧れるモランという魔物でした。
今でも、昨夜のように強い風が吹く寒い夜には、遠い山の中でモランが一人遠吠えしている(泣いている)情景が目に浮かびます。
・・・・杉板で挟んで焼いたカレイ。
こちらは、先日、夫の弟夫婦の披露宴を兼ねた食事会の折に出された焼き物です。
杉板に味噌漬けにしたカレイがサンドイッチされた形で焼かれていました。
お店の方の説明によると、こうすることで木の香りが魚に移り、風味を増すのだそうです。
コロナ禍で自宅にこもる生活が続き、ご飯といえば家ご飯・・・な脳内になっていたので^^;、久々に味わうプロの技に、さすが!と感動しました♪
(iPhoneのアルバムを整理していて、写していたことを思い出した一枚です。美味しかったものの記録として残しておこうと思います。)
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