見えなかった世界

104歳で亡くなった夫の祖母は、
亡くなる数年前に転んで足を骨折してからはベッド上での生活だったけれど、
横になったまま、上半身だけで体操したり、大きな声で歌を歌ったり、
「鍛えられるところは鍛えなきゃね。」
と、最期までシャンとした人だった。
それでも、だんだん眠っている時間が長くなって、
目を覚ますと、
「今日は、新婚時代に遊びに行ってた。」「今日は子供の頃に遊びに行ってた。」
と、
夢の中で、自分が過ごした色々な時代を訪ねているらしい・・・と、夫の母が教えてくれた。
夫の祖母は、長生きした分、「みーんな先に逝ってしもうた。」と、少しお道化た調子で嘆くことがあった。
何度も何度も、見送るつらさを経験して、
そのたびに、共に過ごした時間の記憶は祖母の側だけ残り、
忘れまい、忘れないでおこう・・と、抱え続けた沢山の記憶が、
祖母を過去のいろんな時代に呼び戻していたのだろうと思う。
長生きすればするだけ、自分が新しいゾーンに入っていくからね。
横井忠則さんのおっしゃるとおり。
歳を取るごとに、新しいゾーンに入り、
これまで見えなかった世界が見えてくる。
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