迷惑かけ合う。

迷惑かけ合う。








岸田奈美さん著の「もうあかんわ日記」を読み終えて、
心に残ったフレーズがありました。



***
弟は障害者だ。ダウン症で、知的障害。
でも、彼の特性は、成長がとてもとても、ゆっくりであること。
うまく言葉を話せず、コミュニケーションが難しいこと。
環境の変化や曖昧な空気の理解が、苦手なこと。

それは障害なんだろうか。

社会生活のなかで生きてる人には、わたしのように言葉がわかって、それなりに変化に順応できる人が、たまたま多いだけで。
言葉を使える人が多いから、しかたなく、使いづらい人たちも合わせてくれているだけで。

わたしたちがスムーズに生きていくために都合のいい人を「健常者」、
都合が悪い人を「障害者」と呼ぶのは、なんかずっと、ぎこちない違和感がある。

・・・・

犬が褒められるときの気持ちにも似ている。
「かしこい犬」「いい犬」という褒め言葉があるけど、多くの場合それは「人が飼ううえで、都合のいい犬」にすぎない。
自然界では、よく吠え、よく走り、人に懐かない犬の方が優れているはずだ。
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自分の中にもある無意識のバイアスに気づいて、ぎょっとしました。




世の中は、多数派に都合よくできていて、
多数派は、自分たちに都合よくできている社会を「よい社会」だと思い込んでいる。




でも、近年ようやく、
「それ、違うんじゃないの?」という波が起こってきました。




【弱さを生かせる社会を作ろう】
とする考え方です。




それは、たとえば、
「車いすのかたが、段差を乗り越えられないから仕事に行けない」という状況があったとき、車いすでは乗り切れない段差を、そのままにしている社会に問題がある・・・とする考え方で、


人の持つ「弱さ」を、受け入れ、変化=進化する社会モデルを作っていこうとする試みです。





私は知らなかったのですけれど、ライターも、もともと、
片腕を失くした人でも火をつけられるように・・・という動機から発明されたのだそうです。




人の持つ「弱み」は、発明を産み、社会を進化させ、新しい未来を作る。



そう思うと、

自分を奮い立たせてくれる、自分の長所や強みと同じくらい、
自分の短所や弱さも、価値あるものなのだ・・と思えます。






今、スポーツ界でも、運動が苦手で、でも、運動を楽しみたいと願う人達のための、
「ゆるスポーツ」が注目を浴び始めていて(シニアに人気のパークゴルフも、この仲間ですよね♪)、



また、アパレルブランドのユナイテッドアローズは、車いすのかたが車輪に巻き込まないよう工夫したロングスカートをデザイン販売しているそうです。






少数派も、弱者も、だーれも、置いてかないよ♪という社会・・・

「人様に迷惑をかけられない」なんて発想は、遠い昔の時代遅れの考え方になって、
「迷惑、かけ合おうよ。かけ合うことで、社会はもっと進化するよ♪」っていうふうな社会が実現するといいなぁ。






先ずは、私自身が、「私にとっての好都合」な視野を矯正することからスタートしよう!と、
今、強く思っています。






・・・夏休み終盤。

昨日長女が共有アルバムにアップしてくれた画像です。
久しぶりの大きなプールで遊ぶ孫達♪嬉しそうです^^





パンデミックにより、「当たり前の日常」の尊さを、
身に染みて感じた私達。

全ての人たちの日常が、「当たり前」に、生きやすいものとなりますように。




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