面白い店・ラクな呼吸

面白い店・ラクな呼吸







私はモヒートが大好きで、
ペストル(モヒート作りに使う磨りこぎ棒)を常備し^^;、
以前の家では、モヒート用にミントを育てていたくらいだったのですが、




今年は、旬を迎える5月になっても、モヒートミント(イエルバブエナ)を店頭で見かけることがなく、



これは自宅で飲むことはあきらめて、バーを訪ねてみよう!と思い立ち、
以前に一度立ち寄って、ビールを飲んだことがあるカウンターバーに行ってみることにしました。



すると、期待通り^^、カウンターの中央の大きな花瓶に大量のモヒートミントが挿してあって、
お一人で切り盛りしていらっしゃるマスターが、
「今が一番美味しい季節ですよ♪」と、目の前でモヒートを作って下さいました。



で、びっくりしたのですけど、ペストルは使わないのです。
「木の芽みたいに、パン!と手のひらで叩いて、あとはクシュクシュって揉んでやれば、それで香りが一気に立ちます。ペストルで潰すと苦みが出るので・・・」
とおっしゃって、
「なるほど!」と学習させていただきました♪
とてもとても美味しいモヒートで、お替りしてしまいました^^;







店内には、一切メニューがなくて、
きっとお酒しか置いてないんだろうなぁ・・・と思っていたら、マスターが

「お腹、どうですか?何か召し上がりますか?」

と聞いて下さって、夫が、

「あ、いただきます!」

と応えると、

「じゃ、適当に出しますね。」

と言われて、



「沖縄からトウモロコシが届いたから、コーンスープ作ってみたんですよ。トウモロコシの皮と軸でブイヨンとったザ・トウモロコシスープです。」
と、コーンスープを出して下さいました。



トッピングも一切なしの、トウモロコシだけで出来上がったスープは、濃くて甘くて、トウモロコシをそのまま食べてるみたいでした。







そして、「これは栗蟹っていう毛ガニの仲間なんです。小さいけど、甘くて旨いです。」と、
初めて目にした小さな栗の形の蟹を出して下さいました。






これまでは、蟹と言えばワタリガニだと思っていましたけど、
毛ガニも美味しい!と開眼しました♡




「カウンターバーで、コーンスープや蟹を食べれるなんて思ってもみなかった・・・」と驚いていたら、



お隣で一人で飲んでいらした青年が、

「ここ、面白いでしょう? 僕、タクシーの運転手してるんですけど、料理が趣味なんで、夜勤明けに漁港の市場に行くことあるんですよ。朝の4時半とかに・・・ そうすると、ここのマスターに会うんですよ。笑 なんでバーのマスターが早朝の魚市場にいるん??って話ですよね。笑」

と、教えて下さって、「へ~~!」ってなりました。笑





マスターは苦笑いしながら、「僕はバーテンダーなんですけど、料理が好きなんです。」とおっしゃって、

〆には、その日の朝仕入れてきた鯖とツブ貝と、旬の春牡蠣の散らし寿司を作って下さいました。(蟹と牡蠣の茹で汁で作った一口スープも♪)








後から聞いたら、
カウンターに活けて(?^^;)あったモヒートミントは、お店のお客さんがご自宅の庭で育てて、届けて下さるのだそうです。




皆さん、美味しいお酒を求めて来店されて、
でも、時々、マスターが趣味で(笑)仕入れた食材がある時は、
「なんか食べます?」
と聞いて下さって、「なんか出るんですよ。」というお店。笑





私達がそろそろ失礼しようとしていたところに、ミントを届けて下さった常連さんが来店され、「今日、何か食べれる?」とマスターに聞いたら、
「今日は食材終了です。」と断られて、ガッカリしていらっしゃいました^^;





小さな町には、「食べログ」などのネット情報にはあがらない面白いお店が隠れてるんだなぁ・・って、嬉しいサプライズでした。





昨日、音訳ボランティアの代表者のかたとお話していて、
「この地には慣れましたか?」と聞かれ、
「まだ慣れた・・・っていう感覚はありませんけど、でも、好きだなぁ、良い町だなぁ、って、日毎に感じています。」と答えました。





糸井重里さんが、昨日の「今日のダーリン」に


「いまの家を出るのか」とか「あの人と別れるのか」とか、
 「職を変えようか」とか、
 そういうふうなときにでも「判断」しないままでは、
 幸せになる可能性を大きく減らしてしまうと思うんだよね。
 むろん、痛みがあるとか痒みがあるとかお金が減るとか、
 「判断」にともなうマイナスの要素もあるだろう。
 でもね、いろんな例を見てきたけど、
 「判断」した人は、なんというか、呼吸がラクそうだよ。
 「じぶんの決めたこと」って、やっぱり裏切りたくないし、
 「もうちょっとがんばる」ことがやりやすいんだよな。

と記していらして、

あ、そうか・・と思いました。



私は、母が亡くなった後、弟や娘たちの意見に少し逆らう形で、
「ここに残る」と「判断」したから、




だから、その「じぶんが決めたこと」を裏切らずにいられる今、
ラクな呼吸で過ごすことができていて、




そして、同じように、ラクな呼吸で生きていらっしゃるなぁ・・と感じる方に出会うと、
なんか嬉しくなります。



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