あの時間

6月27日



晴天の金曜日。


今日は父の月命日なので、日が傾いた夕方からお墓参りすることにした。



お墓の近くに、母が好きだったビーチがある。
母が存命だった頃、三人で幾度か訪れた。
母が亡くなった後も、夫と二人で幾度か訪れた。

今朝、夫が、
「今日お墓参りした後、あの海岸へ行ってみようよ。」
と言った。

またここにふたりで来ようと言うときのここというのは、時間のこと


～～～歌人・鈴木晴香さんの歌集『心がめあて』より～～～

懐かしい場所に行きたくなるのは、
その時に過ごした時間を恋しく思うから。



「風が気持ち良いねぇ～」と母が笑ってたあの時間。
母の没後、夫と二人、裸足になって砂浜をダッシュしたあの時間。



行くたびに戻りたい時間が堆積していく。



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