しぶとく「よく生きる」

しぶとく「よく生きる」








昨夜は、新型コロナウイルスによる自粛制限を2年ぶりに解き、
夕食を食べに出かけました。




ご夫婦で営んでいらっしゃる小さなトラットリアで、
店の扉を開くと、接客を担当されている奥様と、厨房にいらしたご主人もカウンター越しに、同時に、
「お久しぶりです!」と声を上げて下さって、それだけで胸が熱くなりました。





食後、他のお客様がお帰りになり、私たちだけになったので、ご主人も厨房から出てこられて、
距離を空けながら、全員マスクをつけて、しばしお話しました。





「ここを開いて、今年で21年目になるんですけど、コロナからは、本当に大変で・・・
 店の経営もですけれど、僕ら料理人が、味覚・嗅覚やられちゃったらアウトなので、とにかく感染しないよう徹底して注意して、体力を落とさないよう、ラジオ体操して、ストレッチして・・を日課にしています。」
と、ご主人。




「年に一度、修行していたトスカーナのお店に戻って、新しい知識を仕入れたり、材料を調達したりして、そこから新年度が始まる・・という区切りだったんですけど、もうずっとそれもできなくて、お店を休む日も多くて、私はこれまでしたこともなかったネットゲームをしたり、電子書籍を契約したり、ライフスタイルが変わってしまった気がします。」と、奥様。





それでも、料理の腕は全く衰えず、奥様が選んで下さるワインも素晴らしく、
「たゆたえども沈まず」の心意気を感じました。





「僕も来年は還暦で、僕が歳とるのと同様に、お客様たちもお歳を召されて、以前はボトル一本平気で飲んでいらした方も酒量が減ったり、節制される方も多くなったので、料理ごとに、そのお皿に合うお薦めワインをグラスで提供することにしたんです。」
と以前はなかったサービスも始めていらっしゃいました。






我が家からお店までは、途中電車を利用して1時間弱かかります。
帰路、夫に、
「これまで考えたこともなかったけど、終の棲家を考えるとき、『好きなお店に歩いていける距離である』ってこと、条件に入れるべきかもねぇ・・」
と言うと、
「それ、いいね。」と同意してくれました。笑




加齢とともにお酒の飲み方が違ってくるように、
脳裏に描く「心地よい暮らし」も、変化し続けるのでしょう。





どれだけ用意周到に色々な計画を立てていても、そんなものは全く通用しない想定外が起こることもあるのだ・・・と知った私たちの強みは、
軌道修正を繰り返しながら、決して「よく生きる」をあきらめない しぶとさを身に付けたことなのだと思います。






・・・昨夜のメニューから・・・

じゃがいものエスプーマ。
きめ細かな泡立ちの、幻~?^^;みたいに口内で消えるスープです。



ホワイトアスパラ。
トリュフの下のオランデーズソースには微塵切りの茹で卵が入っていて、タルタルソースっぽい歯ごたえが絶妙でした。



雲丹とレモンのリゾット。
雲丹の生臭さをレモンが消して、旨味と甘みが際立つリゾットでした。
アルデンテも完璧♪



トマトソースパスタ♪
以前の記事に記した「雑味を消して食材の旨味を引き出す」料理の典型のような、究極にシンプルなトマトソースでした。




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