【追記あり】 あなたを忘れない。
昨日は、母にアクシデントがあり、ひやっとしましたが、今朝がた落ち着きほっとしています。
そんな昨日、お父様の終末期に付き添っていらっしゃった同世代のブログ読者様から、
お父様がご逝去されたとのご連絡をいただきました。
お父様と二人で過ごした時間が、これからの心の拠り所になります・・と伝えて下さいました。
昨夜は、母のことが気がかりで目がさえてしまって、
明け方まで、ベッドの中で、Kindle で購入した本を読んで過ごしました。
その本の中に、著者がモンゴルを旅した折に親しくなった牧場主から、
お別れの日に、白い馬をプレゼントされたエピソードが記されていました。
一瞬何を言われたのか理解できず、慌てたように「大変ありがたいのだけれど、これから日本に帰るので連れていけません」と答えると、そんなことはわかっている、と笑われてしまった。
「未来を作る言葉」ドミニク・チェンより
この馬をあげる、というのは、持って帰れ、という意味ではない。
君たちが再びここを訪れる時には、君たちが自由に乗っていい。
それまで、この馬を手放さずに面倒を見るから、と。
この牧場主は、いつまたモンゴルに戻ってくるかも定かではないわたしたち夫婦のために、大事な商売道具である馬を一頭確保し続けてくれるというのだ。
わたしたちはそれまで、こんなかたちの「贈与」に触れたことは一切なかったので、すっかり言葉を失くしてしまった。
牧場主がプレゼントしたのは、白い馬に加えて、「あなたを忘れない」という誓いなのだと思いました。
たとえ、二度と会うことはなくとも、私は心の中に、ずっとあなたを住まわせるよ・・という約束。
そして、白い馬のエピソードの前に綴られた「共に在る」という感覚についてのチャプターも、とても心に響きました。
コンゴの農耕民ボンガンド族は、私達と比べると、遥か遠くにいる人まで、「一緒にいる人」だと認識し、
たとえば、その日は顔を合わせることもなかった隣家の住人のことを、「昨日は一緒にいた。」と表現するのだそうです。
彼らの中で、大切なのは、「距離」ではなく、「ちゃんとそこにいる」と自分が確信できる感覚なのでしょう。
大切な人との別れには、たとえ白い馬の特典はなくても、
きっと誰しも、「忘れない」誓いを胸に刻むのだと思います。
目の前からいなくなっても、二度と触れることはできなくても、
「ちゃんとそこにいるあなたを忘れない」
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